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恵方巻き狂想曲~テラ編~

 上品に巻かれた恵方巻きを、ちょこんとお盆にのせて
ザクロが執務室にやって来た。

 博士の元に『福』を届けたいという、ザクロの想いが詰まっている。

 「博士、恵方巻きでございます!お召し上がり下さい」
 「?ロールケーキか……」

 ミカエルは、おもむろにナイフとフォークを取り出すと切り分けはじめた!

 「ああっ!?切ってはいけません、博士!!ふ……福が逃げる!」
 「むっ?酸味?ザクロ……これは腐っているのか?」
 「と……とんでもありません!それは酢飯です
これを恵方を向いて無言で食べきると福が訪れるのです!」

 厳しい顔で尋ねるミカエル。
 「科学的根拠は?」
 「いえ……その~……ただの縁起物なので……」答えに窮するザクロ。

 その様子を見かねたクズノハが説明する!
 「ミカエル殿!ほれ、あの文字郎のように、今年は南南東を向いて恵方巻きを食べるのじゃ……」

 大人しく恵方巻きを食べていた文字郎が、グルメ・リポートを開始する!
 「ん~~!酢の加減が丁度良くておいしいでござんす~~!海苔の香りもまた……」
 「って、しゃべってるし!?」
 「だって、こんな美味しいモノを食べたら、つい、口に出てしまうでござんすよ~!」

 こちらに振り返った文字郎は、もはや全く『恵方』を見ていない。

 酸っぱいロールケーキと認識したミカエルは、不愉快な顔で
 「ザクロ、普通のロールケーキはないのか?一切れ分の!」と言いだす始末!

 「いや……甘いモノはまた、バレンタインも ございますし……」
 

 文字郎が恵方巻きを頬張りながら、バレンタインのリクエストをする!
 「ザクロ、当日は、おはぎを!」
 「うるさいっ!!」

 これでもかと言う程、『恵方巻き』に無頓着な、博士&文字郎を目の当たりにした
ザクロとクズノハは……

 (だ……だから、あなた方いつまで経っても福が来ないんですよ!?)
……と、心の底から思ったのでした。

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