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節電の夏・サンクルス編

 ギラギラと真夏の太陽が照りつけるサンクルス……。

 ここで持ち上がる話もまた、地球に優しい"節電"だ!

 「まぁ、節電っつってもサンクルスは六本木ヒルズと同じく、オール自家発電だからな!」
と自慢げにリューク。

 「そそ、たとえテラが停電してもサンクルスだけは助かるのよ~!」
とイラつく顔でテイオーが相槌をうつ。

 「自家発電……?」
 ダイダロスが興味深げに聞くと

 「そーよ!サンクルスの地下では日々、何万匹ものマリモンが『おしくらまんじゅう』してて、そのエネルギーで発電してるの!」
と、事もなげにキッチェが答えた!

 「それでもまだ、電気が足りない時は、みんな当番制で自転車こいでるわ!今日はアナタの番よ!?マリアさんっ!」
 「え…」
 テイオーがマリアを指差し、ペダルがべらぼうに重そうな発電用自転車を差し出す!

 ササっ!

 「あ…ダンボールマンさん?」
 マリアを守るように立ちふさがるダンボールマン!

 「………」
 「ん?なになに?今日の足りない電気は、みかん力発電でまかなうので大丈夫…?」
…と、一時期ダンボールマンの弟子だったリュークが通訳をする!

 「み……みかん力!?」
 ポンジュースの川に水車がくるくると回っているような、メルヘンチックな風景がダイダロスの頭をよぎる!

 「素敵じゃないか!みかん力!」
 「何言ってんだよ?ダイダロス…!最悪だぜ~?みかん力!腐ったみかんの皮を地熱で発酵させて電気を作るんだけど……」

 「確か、異臭トラブルで近所の島民に訴えられてたわね」

 と、リューク&キッチェがメルヘンを打ち砕いた!

 さらにダイダロスの前で札を掲げる悪徳ダンボール!

 さっ!

 そこには、こう書かれている!

 「マリア以外は一律五千円也。」

 「か…金をとるのか~~!?」

 「まぁまぁダイダロス!他の善良な発電源つったらティターンの怒り発電かな?」
 「ティターン怒り発電?」
 
 リュークの言葉にマリアが思わず聞き返す!   
 「ああ、ヤツの怒りマグマを利用するんだが、唯一の問題点は、ヤツの性格が温厚なトコかな?」
 「それ……ダメじゃないですか?」
 「しかも、ティターンが本気で怒ったら、普段、温厚なだけにサンクルス自体がマグマに呑まれかねない!」
 「ますますダメじゃないですか!」
 正当にツッコむマリア!

 ピピ…チチチ…

 見渡す限り、豊かな自然に囲まれたサンクルス……。

 ダイダロスは、ふと、疑問を口にした。

 「というか……この島で、何がそんなに電力を消費してるんだ?」

 ヴィ~~~…

 「んんっ!?」
 島民達の耳に、どこからともなく電動音が聞こえてきた……。

 「なぁーに?この音、気持ちわる~~い!」
 眉をひそめるキッチェに対し
 「あっちだ!行ってみよう!」
 ボスらしくリュークがリーダーシップを発揮する!

 ダダダ……!!

 遠くにテイオーの洒落た馬小屋が見えてきた!

 「ん?あそこから聞こえるゾ!?」

 スタスタ!

 「あら…ヤダ!リューちゃん!乙女の部屋を勝手に…」

 ガラガラっ!!

 「いやあぁァァ~~!?何の躊躇も無く~~!?」
 有無を言わせずテイオーの部屋に踏み込むリューク!

 「こ…これは!?」

 ヴゥ゛~~!!

 そこには、電動美顔器!美肌ローラー!ナノイオン発生器!乗馬型ダイエットマシン!半身浴用ジェット水流ジャグジー!
 数々の電動美容器具が稼働していた!

 「テイオー~!!ぅおまえなぁ~!?」

 怒りに任せてテイオーの胸ぐらを掴むリューク!

 むりむりっ!

 「のうわっ!?」

 テイオーの胸ぐらにリュークの指が2センチくらいめり込んだ!!
 その指にはベッタリと不気味な白いクリームが付着している!

 「な…何だ!?コリャ~~!?」

 「ヤダ!まだクリームが乾いてないんだから触っちゃダメよ!真夏の日差しはお肌の天敵なんだから!」

 「ま…まさか、その厚塗りは日焼け止めクリームっ!?」

 テイオーの全身に厚く塗られたクリームにリュークの手と同じ形の跡がついている!
 そのクリームの奥……皮膚の部分……

 「んん!?」
 少し覗く栗毛色の素肌……

 栗毛色の素肌っ!!

 「く…・り…・毛・?」
 「オ……オメー実は白馬じゃねーなぁ~~!?」
 「あら?何言ってるか聞こえないわ!?耳に水が入っちゃった!」

 ピユーピ~!
 白々くも、かなり完成度の高い口笛を吹きながら目線を反らすテイオー!

 そう!白く見えていたのは、コテコテに固まった日焼け止めクリームで、テイオーは白馬ではなく栗毛馬だったのだ!

 「来いっ!洗い流してやる!」
 「い~や~い゛~や゛~~!リューちゃ~~ん!」
 指先に付いたクリームを、忌々しげに拭うリューク&泣き叫ぶテイオー!

 その横ではダイダロスが
 「いいか?サンクルスに相応しい太陽光発電というものがある!」
と、島民達に力説している。

 ブオォ~!

 その前をソーラーカーに乗ったダンボールが横切る!

 「ぐはっ!?」
 「ギャ~~!!」

 あえなくリューク&テイオーに激突!!

 それを見ながらキッチェがマリアに
 「ねぇ?サンクルス近海に新しいエネルギー源が眠ってるって噂は、本当かな?」
…と楽しげにヒソヒソ話をする。

 そんなこんなのサンクルスの暑い夏!

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