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ポッキーの日ミニ小説・アトランティス編

 ― ―アトランティス― ―

 キラキラと輝く波の上に佇む巨大空母……。

 「あっ!お頭~、今日は何でもポッキーの日らしいですよ!?」
 のんきに話しかける工作員。
 

 「そ…そうか?ちょっと遅くないか?」(よく分からんが、何故か出遅れた感があるな……)
 何故か不思議な焦燥感に駆られるアレックス!

 船上で談笑する部下たち!
 「サンクルスでは毎年、ポッキーのチョコとスティック部分の分離にチャレンジするらしいな?!」
 工作員達は話に花を咲かせている!
 「まじかよ?ジョー・イ~?」
 「そんなバカな事を本当にしてるのか~~?」
 「いや、リュークさんはやってのけたと聞いたぞ?!」
 (わいわい)

 と、これまで黙って聞いていたアレックスが口を開く!
 「よし、やるぞ!オレ様もっ!!」
 「へっ!?お……お頭!?」

 「オレ様もポッキー分離にチャレンジすると言ってるんだ!!リュークに出来て、このオレ様に出来ん訳が無~~い!!」

 「カルロス!ポッキー用ぉ~~意!!」
 「アイアイサー!!」
 差し出されるポッキー!(通常チョコ味)

 「何ィっ!?」
 海上の日の光を浴びて、べったりと溶け始めたソレは、まるで意思を持つ生き物のように
ポタリとチョコの滴を落とした。

 「お頭が、リュークさんと同じ難易度のモノでは、満足しない海の漢だって事は心得ているであります!!」
 「ん?で、でかしたぞ!カルロス!半溶けのポッキーか!」
 思いがけない難関ポッキーの登場に引きつるアレックス!!

 アレックス対ポッキーの熾烈な勝負が始まった!

 アレックスの指めがけてチョコを落とすポッキー!
 「おっと!」
 角度を変えてギリギリで避けるアレックス!

 「ひゃっ!」
 「危ない!」
見ている工作員達からも、小さな悲鳴やどよめきが漏れる!

 チョコをまき散らすポッキーだが、その柔らかなチョコは一層ペタリとスティックに貼りつき、一瞬の隙を見せる事もない!!

 「ハァっ!」

 「くっ?」

 「そう来たか!」

 

                      ・

                      ・

 ― ―どれほどの時間が経っただろう?― ―

 太陽が何度沈み、月が何度昇っただろう?
 それを何度か繰り返したとある朝……。

 「ぐう…うっ!」
 ドサっ!
 「お…お頭~~~!!」
 力尽き、倒れるアレックス!

 その傍らには、ばっちりチョコレートコーティングされた大量のポッキーが転がっている!

 「ま……負けたのか?お頭が?」
  「いやっ!アレを見ろ!」

 ポッキーの表面が薄く白濁し変色している!

 「ブ…ブルーム現象!?」
 「一度溶けたチョコが再びかたまり、味の質が落ちるというあの……?」
 「お…お頭が傷み分けた!?」
 「最初からほとんど溶けかけていたとはいえ、ウチのお頭は転んでもタダでは起きん男だ~~~っ!!ポッキーのヤツにひと泡ふかせてやった~~!!」
 「うおおおぉ~~!!」

 「いや、待て!」
 盛り上がっている所に、冷静なカルロスが口をはさんだ!
 「その、味が落ちた大量のポッキーをおやつ代りに食べなきゃいかんのは誰だ!?」

 「………」
 「……」
 沈黙する工作員たち。

 「お…お頭~~っ!何て余計な事をしてくれるんスか~~!?」

 倒れたアレックスを、揺さぶる部下!
 「ぐほっ!?き…貴様等!?」
 「自分達に、フツーの美味しいポッキーを食べさせて下さいよ~~」
 「し…知るか~~!!」

 ポッキーとの数日間に渡る死闘の結果、傷み分けてしまう散々なアレックスなのでした。

 ※ちなみにアレックスの表面にも、ココアバターが溶け白く固まるブルーム現象が起きましたが、品質は損なわれるものの、お頭として問題ありません。

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