ミニ小説

ミニミニ小説・バースデー革命。

 ―― サンクルス ――

 「みんな!聞いてくれ!!今日はオレの爆誕祭であり、新年度のはじまりだ!!」

 いつもながらのボスのデカイ声が響く。

 集まる島民達。

 「島民のみんな!オレは本日、年金制度改革を発表する!」
 「ね…年金制度改革っ!?」 オウム返しにキッチェが問う!

 「え~~!今は、老後の安定した生活のため、みなさんに島民年金を支払って頂いておりますが……」
 「何ぃ!?リュ…リューちゃんが突然敬語になりやがった!?」毒づくテイオー&『嫌な予感』…と、プラカードを掲げるダンボールマン。

 「本日より、年金保険料の値上げと、支給開始年齢の引き上げを発表する!」
 全島民「なっにぃぃ~~!?!?」

 「ちなみに支給開始は現行の60歳から95歳になりま~~す!」
 「じょ…冗談じゃないわ!そんなの詐欺よ!!キッチェが、その歳になる頃には、どうなるか分からないもん!」詰め寄るキッチェ。
 「いや、詐欺というのは、狡猾・巧妙に相手を騙すものだが、これは目に見えて酷い!悪政極まりないな!」あきれるダイダロス。

 「いやいや、待て!そのかわり95歳からの支給額は月1000万だぞ!?」胸を張るリューク!
 「リューク!それは、円ですか?ドルですか?それともペソ!?」
 「ううっ!?マリア?法の抜け穴を許さない厳しいツッコミ……!」

 リューク、意を決して約束する!
 「もちろん円だ!!野郎ども~~!!」
 「うおおおお~~~!!!」盛り上がるサンクルス!!

 「よっしゃ!皆!!根性で100年、…生きるわよ~~!?」テイオーが拳を振り上げる!!
 「おー!!」

 「サミアドにも会えるわね~~!」生きる気満々のキッチェと島民達!

 そんなみんなの様子を見て「いや、支給額は、エイプリルフールの嘘ではないのか?」……と、老後に不安を抱くダイダロスであった。

 - -島民年金料値上げだけは、たぶんホント!- -

| | コメント (0) | トラックバック (0)

テラ’s運動会

  月色の塔…

 上層部の見晴らしの良い窓辺、清々(すがすが)しい秋の空を眺めていたザクロが、「ほぅ…」と懐かしげに息を吐いた。

 カツ、カツ…

 と、耳障りなヒールの音と共に凛とした声がザクロを現実に引き戻す!
 「ザクロ、何を ぼんやりしておるのじゃ?」
 「ク…クズノハ!?あなたには関係ありません!!私がせっかく、幼き博士の運動会の想ひ出に浸っていたと言うのに…!」

 ぴくっ!!
 「ミ…ミカエル殿の運動会の想い出っ!?」

 「ソレ、聞きたいでござんす…」
 「うわっ!?」
 今度は足音も立てずに近づいた文字郎の囁き声がザクロを驚かせた!

 「何じゃ!?文字郎……お主も、ミカエル殿の子供時代に興味があるのか?」

 クズノハの質問に、文字郎はサラリと答える。 「ええ!もちろん!交渉相手の弱みは、少しでも多く握りたい!」
 「…………」
 「…………」
 ピキーーン!
 一瞬にして、凍り付くザクロ&クズノハ!

 「な…何を言い出すのです!?このバカ猫!博士の人生において、生まれて、この方、弱みなどありません!!」
 
 ビシィっ!
 「ならばザクロ!ミカエル殿の運動会の想い出を聞かせてくれても、いいじゃろう?」
 クズノハは期待の眼差しで先を促した!
 「ふ…ふん!いいでしょう!ついて来なさい!」
 言うとザクロは二人を自室に案内した。

 --ザクロの部屋--
 年季の入った部屋の一角には、小綺麗に整頓された資料が隙間無く並んでいた。
 その中の「運動会」とラベルが貼られたディスクを取り出すと、部屋の大型モニターには、楽しげな子供達の姿と、お決まりのフォークダンスのメロディーが流れ始めた。
 「おおっ!?幼きミカエル殿が踊っておられる!何と可愛らしい……」 そこには、そつなく女子生徒をリードする少年時代の博士が映っている。
 「んっ!?」
 ……と、突然画面の背景が、凝ったCG合成に切り替わる!
 「ああ!これは私が博士に似合う背景に差し替えたんです」

 楽しそうな運動場が、何故か豪華な宮殿の舞踏場になっている。
 映し出された、煌めくシャンデリアの光のせいか、画面下には小さく、[部屋を明るくしてご覧下さい]……と、注意テロップが出ている。
 BGMも、「マイムマイム」からいつの間にかテラ交響楽団が奏でるクラシックの「ジュピター」だ!

 「……」
 「………」

 「あっ!見て下さい!」
 ザクロが楽しげな声を上げる!

 今度はパン食い競争の様子が映し出されたが、そのパンが……何やら……おかしい!
 「っ!?」
 よく見ると、博士や生徒達が食べているのは、あんぱんではなく、アップルパイやクイニーアマンなのだ!!
 どうやらザクロが実行委員会に圧力をかけて、博士の口に合うモノをセレクトしたらしい!

 「あの時は怒られましたねぇ……アップルパイに水分を奪われるし、喉がカラカラになって、食べにくいって!」
 「当たり前じゃ!」
 呆れ顔のクズノハ。
 「やはりチーズフォカッチャにすれば良かった!」
 「そーいう問題じゃないでござんす!」
 ツッコむ文字郎!

 「博士に、騎馬戦では私の背にお乗り下さいと申し出た時は、目すら合わせて下さらなかった……!」
 「ミ……ミカエル殿…お察しします」

 続いて大型モニターに映し出されたのは、借り物競争の様子だ。
 「これ、博士の大活躍だったんですよ~!」
 昔を思い出したのか、何だか遠い目をするザクロ。
 「何じゃ?1位だったのか?」
 「その逆です!最下位でした!……ですが……」
 懐かしげにモニターを見る。

 「幼児」と書かれた札を引き、困惑している博士の元に観覧に来ていたノエルが嬉しそうに駆け寄っている!
 仕方なくノエルの手を引き、弟が転ばないように、ゆっくりとコースを回る博士。
 その様子を奥方が愛しげに見つめる姿が映し出された。
 「な…何と微笑ましひ……フフ」
 ちー~ん!
 ザクロは涙声で呟くと思いっ切り鼻をかんだ!
 幼い博士は、どんどん他の生徒に追い越されたがノエルを気遣い、ゆっくりとゴールする頃には、会場中がスタンディングオーベーションで暖かい拍手に包まれていた!
 「まるで、伝説のランナー裸足のアベベのようではありませんか!」
 感極まったザクロが立ち上がり、「ブラボー」……と、映像の博士に惜しみない拍手を送る!
 「ザクロの例えは、古すぎて よく分からぬが、わしも胸を打たれた!」
 パチ……パチパチパチ!
 クズノハもザクロに続き、目を輝かせて拍手する!

 スー…スー
 その拍手に、明らかな寝息が加わる。
 「ん?文字ろ…?」
 「ね……寝てるしっ!?」
 「な…何と無礼な!?あの感動のドキュメンタリーを見て、居眠りとは!!全く猫に小判とは、この事です!」
 「そうじゃ!そうじゃ!!これでは馬の耳に念仏じゃ」

 クズノハも同意する。 「いや、馬の耳に……は、例えが悪いでしょう?」
 「それは、どーでもいいじゃろう?」
 「良くありません!!」

 そんな二人を よそにいつの間にか起きた文字郎が「んにゃ~…」と、背伸びをする。

 涼しい風が吹く、ある秋の日の1コマなのでした……。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

モーニングコール・アトランティス編

 今日は、アトランティスの寝起き事情!

 軍人は規律が大切です。wave

 続きからどうぞ。

※クリックで拡大します。

続きを読む "モーニングコール・アトランティス編"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

モーニングコール・サンクルス編

 今日はサンクルス編。

リュークの注文は「かぐや姫」なみのハードル……?

では「続き」からどうぞ~

続きを読む "モーニングコール・サンクルス編"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

モーニングコール・テラ編

 モーニングコール・テラ編です。

鉛筆描きの「ミニマンガ」ですが、カテゴリは「ミニ小説」のトコに入れましたsweat01

 では「続きを読む」からどうぞsign01

 クリックで拡大します。happy01

続きを読む "モーニングコール・テラ編"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ホワイトデーミニ小説inサンクルス

 波間にゆれる小さなイカダ。
少しずつ、少しずつ大きくなる……。

 彼が帰って来た!
久しぶりに!片手に綺麗な珊瑚のブローチを持って!顔には自信に満ちた笑みを浮かべて!

 サンクルスの元ボスリューヤ!大地に帰還っ!!

 「お~~い!島のみんな~~帰って来たぞ~~!プレゼントもあるぞ~?」

 その大声に全島民が何事かと集まって来た。
 リュークが反応する。
 「な……何だよ?久しぶりに帰って来たと思ったら、ソレ、オレにか!?」

 珊瑚のプレゼントを取ろうとするリュークにすかさず、反撃するバカ親父!

 「必殺!スカイツリーボムっ!!!」
 ゴッドファーザーボムと、何ら変わりない光線が発射される!
 「ぬわっ!?っぶね!」

 ギリギリで避けたリュークが叫ぶ!
 「ス…スイカ ツリーボムって何だよ~~!?」
 「スイカではない!スカイツリーボムだっ!ス・カ・イ・ツ・リー!いいか?リューク!モテる男はなぁ~、流行に敏感なんだよ~~!!」

 キッチェが呆れてつぶやく。
 「おじ様……、海の上にいて一体どこからそんな情報を?」
 続いてマリアが同意する。
 「し…しかもスカイツリーって一体何でしょう?」

 マリアとキッチェの方へ振り向き話しかける親父!
 「このプレゼントはバレンタインチョコのお返しだ!海にチョコを流して、このオレに届けてくれたのはマリアちゃんかキッチェだろ?」

 「は?キッチェ知らないけど?」
 「あ、私も心当たりがありません…」
 即、否定するマリア&キッチェ!

 そこに通りかかったテイオー!

 リューヤが手にした、食べ終わった後のチョコの包み紙を目にする!
 「あら!リュー様!それはお返しを期待して私が送ったものよ!」
 「何っ!?テイオーが?」

 しかしテイオーは不思議な顔をする!
 「でも、おかしいわね~。お返しがなかったから、次の年からは送ってないわ!だってソレ……5年ほど前に送ったチョコだし!」

 「ご……5ネ…ン!?」

 どうやら、5年間海の上を漂った挙句、届いたチョコらしい!

顔面蒼白になって腹をおさえるクソ親父!!
 「ぐおっ!?は…腹が……アプリを…オレ内蔵のアプリを……」
 「お…親父……アプリって何だよ!?」

 親父が額を宇宙に向け大声で叫ぶ!
 「トイレ検~~索~~っ!!!」

 ……何やら衛星と交信しているようだ!

 「よし!トイレの場所、認識!行ってくる!見たかリューク!モテる男は常に最新情報を把握できるのだよっ!うはははは!!」

 トイレへ駈け出すリューヤ!

 呆れて見送る島民達、そしてリューク!

 「つーか全然モテてねーじゃん」
 「チョコもらったの5年前って……」
 「しかも相手はテイオータイ…」

 ― ― 一方、トイレに到着した親父であったが……― ―

 「おいっ!ダンボールマン!トイレ清掃中ってどういう事だっ!?早く開けろ~~!!」

 全く役に立たない『親父内蔵アプリ』なのでした!
 
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

恵方巻き伝説・過去編

 リュークは「カナメの書」を手にとった。

いつもの如く、キッチェにちょっかいを出したアレックスが円舞・後輪却でノックアウトされたため、その懐から落ちたモノだった。

 「ったく、世話の焼けるヤツだな~」
すぐに返すつもりだったが、ふと、ある日付が目にとまった!

 「2月3日……?今日だ」

 日記風に細かい文字で、過去の出来事を綴っている。
書き記した人物はカナメ。

 他にもリュークには、理解できない難しい外国語(ドイツ語?)や、良くわからない計算式……潮位や月の満ち欠けデータによる洪水確立……と思うモノが記されていたが、良く分からないのでスルーした。

                       ・

                       ・

                       ・

 2月3日

 ― ―今日はミノルが、子供達に「恵方巻き」なるモノを作って食べさせたいと言うので
食材を調達にいった。オレが食材を持ち帰ると― ―

 

 「く……黒トリュフ~~っ!?ソレ…巻くの?」ミノルが驚きの声をあげる。
 「カナメ……さん?」
 マリアちゃんの『まさか、盗んだんじゃないよね?』的な冷たい視線がオレを射抜く!

 「う゛う゛っ!な…何だよ?2人共!その文句ありそうな顔はっ!?具は、このトリュフ&イクラとミノル特製の厚焼きタマゴだっ!いけそうだろ~~?…あ、言っとくけど盗んだんじゃないぜ?」

 ミノルが目を丸くしてたずねる。
 「え?もしかしてカナメのポケットマネーで買ったの?」
 「バカ言え!欲しいモノは、買うんじゃなくて見つけるんだよ!オレの鼻は裏山のトリュフの匂いをかぎわけた!」

 「……ブタか!」

マリアちゃんの、人を人とも思わぬ厳しいツッコミが入る!

 「で、そっちのイクラも大海原で見つけて手に入れたの?」
ミノルがチラリと見て、もう一方の食材イクラを指差した。

 「ああ、こっちはアトランティスの艦長から頂いた!ザジ嬢におねだりしたら、追い返されそうになったんで、慌てて艦長に『買います!そのイクラ、いくら?』って聞いたら、大爆笑してタダで持ってけーって!」

 「艦長……ダジャレ好きなのか」
 「てか、カナメさん買おうとしたの?欲しいものは買うんじゃなくて見つけるんでしょう?」

 「はははは!ちっちぇ~事は気にしない!せん無き事よ!せん無きことよ!」

 「はぁ~……ったく!」
 ミノルは溜息をつくと、マリアちゃんと顔を見合わせ小さく笑った。

                              ・

                              ・

                              ・

 ― ―それから、ミノルが少し甘めの厚焼き卵をつくり、マリアちゃんやみんなで、くるくるっと巻いて、子供達と一緒に食べた!
 みんな、大喜びで、マジ、美味かったな。
 今年も、福が来ますよーに!そして来年も再来年もこんなふうに皆で迎えられますように。

 祈りを込めて― ―  2月3日・節分

 

  …… 遠くからリュークを呼ぶ声が聞こえる!
 「リューク~!太巻き完成しましたよ~!」
 「今年もおっきいの食べるんでしょ~?欲張り~!」
 マリアとキッチェの声だ!今年も恵方巻き大会が始まる!

  パタン。
 リュークはカナメの書を閉じた!
 
 

 「ああ!今行く~~!!」
 倒れたアレックスをその場に残し、電車の家に向かって駈け出す薄情なリューク!

 サンクルスでも美味しい太巻きが待っている!
 日記の中の皆のように、わいわい楽しく……。今年も、来年も、再来年も、きっと変わらぬ団らんがやって来る!

 ただ、残念ながら、アレックスに団らんはやって来ないだろう。たぶん……!
             

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ポッキーの日ミニ小説・アトランティス編

 ― ―アトランティス― ―

 キラキラと輝く波の上に佇む巨大空母……。

 「あっ!お頭~、今日は何でもポッキーの日らしいですよ!?」
 のんきに話しかける工作員。
 

 「そ…そうか?ちょっと遅くないか?」(よく分からんが、何故か出遅れた感があるな……)
 何故か不思議な焦燥感に駆られるアレックス!

 船上で談笑する部下たち!
 「サンクルスでは毎年、ポッキーのチョコとスティック部分の分離にチャレンジするらしいな?!」
 工作員達は話に花を咲かせている!
 「まじかよ?ジョー・イ~?」
 「そんなバカな事を本当にしてるのか~~?」
 「いや、リュークさんはやってのけたと聞いたぞ?!」
 (わいわい)

 と、これまで黙って聞いていたアレックスが口を開く!
 「よし、やるぞ!オレ様もっ!!」
 「へっ!?お……お頭!?」

 「オレ様もポッキー分離にチャレンジすると言ってるんだ!!リュークに出来て、このオレ様に出来ん訳が無~~い!!」

 「カルロス!ポッキー用ぉ~~意!!」
 「アイアイサー!!」
 差し出されるポッキー!(通常チョコ味)

 「何ィっ!?」
 海上の日の光を浴びて、べったりと溶け始めたソレは、まるで意思を持つ生き物のように
ポタリとチョコの滴を落とした。

 「お頭が、リュークさんと同じ難易度のモノでは、満足しない海の漢だって事は心得ているであります!!」
 「ん?で、でかしたぞ!カルロス!半溶けのポッキーか!」
 思いがけない難関ポッキーの登場に引きつるアレックス!!

 アレックス対ポッキーの熾烈な勝負が始まった!

 アレックスの指めがけてチョコを落とすポッキー!
 「おっと!」
 角度を変えてギリギリで避けるアレックス!

 「ひゃっ!」
 「危ない!」
見ている工作員達からも、小さな悲鳴やどよめきが漏れる!

 チョコをまき散らすポッキーだが、その柔らかなチョコは一層ペタリとスティックに貼りつき、一瞬の隙を見せる事もない!!

 「ハァっ!」

 「くっ?」

 「そう来たか!」

 

                      ・

                      ・

 ― ―どれほどの時間が経っただろう?― ―

 太陽が何度沈み、月が何度昇っただろう?
 それを何度か繰り返したとある朝……。

 「ぐう…うっ!」
 ドサっ!
 「お…お頭~~~!!」
 力尽き、倒れるアレックス!

 その傍らには、ばっちりチョコレートコーティングされた大量のポッキーが転がっている!

 「ま……負けたのか?お頭が?」
  「いやっ!アレを見ろ!」

 ポッキーの表面が薄く白濁し変色している!

 「ブ…ブルーム現象!?」
 「一度溶けたチョコが再びかたまり、味の質が落ちるというあの……?」
 「お…お頭が傷み分けた!?」
 「最初からほとんど溶けかけていたとはいえ、ウチのお頭は転んでもタダでは起きん男だ~~~っ!!ポッキーのヤツにひと泡ふかせてやった~~!!」
 「うおおおぉ~~!!」

 「いや、待て!」
 盛り上がっている所に、冷静なカルロスが口をはさんだ!
 「その、味が落ちた大量のポッキーをおやつ代りに食べなきゃいかんのは誰だ!?」

 「………」
 「……」
 沈黙する工作員たち。

 「お…お頭~~っ!何て余計な事をしてくれるんスか~~!?」

 倒れたアレックスを、揺さぶる部下!
 「ぐほっ!?き…貴様等!?」
 「自分達に、フツーの美味しいポッキーを食べさせて下さいよ~~」
 「し…知るか~~!!」

 ポッキーとの数日間に渡る死闘の結果、傷み分けてしまう散々なアレックスなのでした。

 ※ちなみにアレックスの表面にも、ココアバターが溶け白く固まるブルーム現象が起きましたが、品質は損なわれるものの、お頭として問題ありません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ポッキーの日ミニ小説・テラ編

 ― ―11月11日― ―……

 「今日がポッキーの日だって知ってますか?」
月色の塔・執務室。

 サンクルス経験のある文字郎の、突然の言葉にミカエル、ザクロ、クズノハは不意を突かれた。

 「な……なんだ?ソレは?」
 怪訝な顔でミカエル。

 するとザクロ、
 「あれえ~?博士!ご存知ないんですか~~!?」

 同じく何度もサンクルス経験があるザクロの、妙に馴れ馴れしい…それでいて何処か上から感のある台詞にミカエルの表情は、一層厳しくなった!

 「ミカエル殿、好きな人と2人で、一本のポッキーを食べる日でございます!お互いに端から!!」
ちょっと間違った知識を述べるクズノハ!

 「えっ!?!そんな日でしたっけ!?」
 ザクロ&文字郎

 「ハァ……違うんじゃないのか?わざわざ記念日として制定するくらいだから、そのポッキーと言う嗜好品を使って何か難解な事を初めて成し遂げた日なのだろう?」
 聡明な頭脳が、『記念日』を分析する!

 部下3人「例えば?」
 「そうだな……棒状のドルチェらしいから…」

 (ど…ドルチェって!!?ポッキー、駄菓子ですから~~!!)部下3人の心の声!

 「一箱全てのポッキーを1本ずつ立てて並べ、最終的に美しく倒す『ドミノ・チャレンジ』に成功した日だと考えて まず、間違いないだろう!」

 クズノハ「……」
 ザクロ(……な、なぜドミノっ!?)

 「いや~!たぶんそうでござんすにゃ~!!やっぱり博士は天才です!あっしなどは記念日というだけで詳しい事は知りませんでした!いい勉強になりましたにゃ~!」
 「うむ!」
 すべて知っているくせに半笑いで話をあわせる文字郎!

 クズノハ(も、文字郎……腹黒いな…)
 ザクロ「はぁ!?バカ猫!そんな訳ないでしょう!?バカバカし…」

 「ザクロ!バカバカしいとは、どういう事だ?私の意見に反論があるとでも?」
 「あ……博士、いえ、その……」

 「今日は『記念日』なのだろう?丁度いい!やりたまえ!ポッキー・ドミノをっ!!」 
 「そ…そんな、博士~~」
 クズノハ「ポっ…ポッキー・ドミノっ!?」
 文字郎(変なネーミングにゃ!)

 ザクロ
 (ガクガク)「20本を越えたあたりから、手の震えが止まらない……た~す~け~て~…!」
 

 サンクルスのポッキー分離に勝るとも劣らない、難解なポッキーの日を迎えてしまったテラなのでした!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ポッキーの日ミニ小説・『良いイイ~っ!』の日

 ― ―サンクルス― ―

 リュークがポッキーを掲げて声をあげる!
 「今日はポッキーの日だから、ムースポッキーの分離にでも挑戦するか~~!!」

 そこにやって来たテイオーが、ワケ知り顔で一言加える。
 「あら、リューちゃん、今日は『良いイイ~!!』の日でもあるのよ?」

 「い……良いイイ~の日っ!?」
 「そう!仮面ライダ~の戦闘員達の『イ~!』、その最高の感情表現が『イイーっ!!』
今日はそんな、最高の『イイ~っ!!』を決める日で、NO1になった戦闘員だけが幹部にのし上がれるのよ!」

 「ま……マジか…!?てか、テイオーなんでンな事知ってんだよ!?」
 テイオーはやや目線を逸らし、小声でボソっと答えた。
 「テラでもその方式で幹部が採用されてるから……!」

 驚きを隠せないリューク!
 「ま……マジか~~っ!!?」

 「あたしなんて『良いイイ~っ!』が上手く言えなかったから、失敗作としてココに落とされたのよ?」
 何故か他の島民たちも口ぐちに、似た証言をする!

 「ああ!オレも同じターイ」、とキックボクサー
 「発音や声のトーンが難しいんだよね~」と、半透明人間!

 

 その様子を見ながらキッチェがたずねる。
 「ねぇ、マリア…、アレ、ホントなの?」
 「さぁ…、私は研究室から出た事がないから、よく分からないけど……何故かみんなで、リュークを騙そうとしているような気がします……」

リュークがダイダロスを可哀想…という表情で振り返る!
 「ダイダロス……お前、音痴だから『イイ~っ!』の音程とか取れなくて大変だったんだろうな…?」

 「はっ!?」
 少しイラっとするダイダロスだが、テイオーの『話を合わせて』、的なジェスチャーを見て、空気を読む!
 

 「ああ、そうだな!ミカエル・シャークマンは自分の気に入った音程の『イイ~っ!』しか認めない鼻もちならない男だ!そこをいくと、あのザクロは『イイ~っ!』の名手で、その一芸だけで、あそこまでのし上がったと言っても過言ではない!!」
 ……と、ある事無い事をでっち上げて力説した!

 少し考え込んだリュークは、しごく真面目な顔で一言!
 「よし!それやろう!」
 島民一同
 「は?」

 「だから、そのテラの幹部採用方式をサンクルスでも、取り入れようって言ってんだ!
オレの気に入った『イイ~っ!』を言えた奴は取り立ててやるゾ!?」

 「はあぁぁ~~~!?」
 

 ヒソヒソ話を始める島民たち!
 「ダ…駄目タイ」
 「毎年、ポッキーの日にポッキー分離大会とか、くだらないイベントに付き合わされるから別の日をでっち上げてリューちゃんの気を逸らそうと思ったのに…!」

 「成程~!そういう事か」
 と、キッチェ。
 「でも逆効果になっちゃいましたね…」
 とマリア。
 「うむ、良く考えたら、リュークが好きそうなフレーズだものな!『良いイイ~っ!』の日!」
 と、ダイダロスが溜息をつく。

 「こらソコ~~!!良い『イイ~っ!』を披露してみろ!」
 「え?あ…はい、『い~い?』」
 おそるおそるやってみるマリア!

 「マリアっ!?やらなくていい!!やらなくていい!!」
 止める島民たち&なぜか興奮するダンボール!

 「違~う!もっと腹から声だして、裏返った感じで『イイ~っ!!』だ!」

 「はい!みんなで~」
 島民達を熱っぽく期待の眼差しで見つめるリューク!
 「せーのっ!」

 「い…イ~」「イイ~…!」

 仕方なく、うつむいて渋々付き合う島民達なのであった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)